三菱一号館美術館で行われていたビアズリー展に行ってきた。私がビアズリーに興味を持ったきっかけは、オスカー・ワイルド「サロメ」の挿絵だった。地元のコメダ珈琲にて、岩波文庫で読んだのを覚えている。それまで挿絵に注目することはほとんどなかったけど、正直内容よりも挿絵に惹かれた。狂気的でグロテスクなのだけど、どこかコミカルでユーモアが有り、美しい白黒の線画で描かれていた。そんで、そっこーググってふむふむした。

GW初日ということもあり入場まで30分ほど列に並んだ。ビアズリーの世間的知名度があまり理解していなかったため、思ったより人気なんだなと感じた。彼が夭折してしまったのは知ってたけど、困窮家庭に生まれながら、短い生涯で1000点以上の作品を残していたのは驚きだった。入ってすぐにある「ジークフリート第2幕」に喰らう。まとった衣服、程よく筋肉がついた体つきと、少し内股気味の立ち姿のバランスが美しく見とれた。彼の両性具有的なモチーフはどこから来るのだろうか…?がずっと気になった。彼が影響を受けたとされるA.マンテーニャ、J.M. ホイッスラー, Wクレーンらの作品が展示されていたり、ジャポニズムの影響が紹介されていたりするのだが、そこから彼の作風へは1つ離れたものがあるなと思った。若くしてここまで自分の作風を確立しているのがすごいし、何よりハードワーカーすぎる。