内容

ビッグテックは、人々に「安楽な暮らし」を提供するが、同時にその支配を強める。 そんななか、テクノロジーを否定することなく、人々が支配と隷従から抜け出すための解決策を考える。

感想

ビッグテックからの支配の脱却として、Web3的分散アプローチをとっても、それは同じようなプラットフォームを生むだけである。それよりも、支配をオープンにし、ユーザーが支配されながら、支配の側に参加するプラットフォームを作る「民主化された支配」、「支配の入れ子」という解決策を提示している。これを成り立たせる仕組みとして、ブロックチェーン、トークンエコノミーを利用する。」また、貨幣経済の上に贈与経済(トークンエコノミー)を敷くことで、人間関係における新たな「関係と承認」のシステムが生まれる。※実際には新しくはないが、貨幣と贈与の二層構造がnew

完全な自由よりも、民主化された支配が大事という点は同意。実際に、hackernews、reddit(subreditにもよる)、wikipediaとかデータがオープンで、ユーザーがモデレーションして上手く回ってるサービスはいくつもある。code is lawなわけで割とユーザーはデザインに従うことがわかってると思う。

懸念点があるとすれば、トークンエコノミーは複雑になりすぎてしまうと思う。valuが無くなったのを思い出す。誰のトークンがどれくらい価値があるというのが誰でも見れるというのは、多くの人にとっては生きづらいものになるし、あまり良い解決策が浮かばない..贈与経済は貸し借りがあやふやになるから成り立つけど、トークンだと可視化されてしまうのが逆にデメリットだと思う。nostrrのzapみたいな価格が変動する通貨で投げ銭みたいな感じになるのではないだろうか?(みんな投げ銭好き)そのへんの動向に注目したい。

UI/UXについて、「没入」だけでなく「気持ちの良い摩擦」が重要と書かれていたのは、素晴らしい言語化だと思った。今のsnsは摩擦がない、相手がどんなふうに感じるだろうかと考えさせられにくい。その点でメタバースの近い距離感は1つの解決策だと思う。