アフリカのジブチに駐在しているフランス外人部隊で、主人公の曹長が上司の司令官に尊敬を超えた愛情を抱き、司令官に気に入られた新入りを嫉妬して軍から追放しようとする…みたいな話ではあるのだけど恋愛的な三角関係とか同性愛的なストーリーではない。あらすじを読んだ先入観もあり、途中までそういう映画だと思ってたんだけど違った。

フランス外人部隊、アフリカの辺境ジブチというどこにも拠り所がない二重の特殊環境のおいて、明確な戦闘的な目標もなくやることがない、主人公はおそらく「部隊の規律を守る」ということ自分の存在意義にしていたんだけど(だから司令官は神のような存在)、新入りによってそれが乱されたがゆえに、アイデンティティの危機に陥って暴走してしまうみたいな話なのかなと時間をおいてみると感じた。ゆえに、ラストのめちゃくちゃ踊るのは軍隊の特殊環境の束縛から解放されて精神も身体も自由になる的な意味合いで納得できた。

フルメタル・ジャケットもそうだけど、人が軍の特殊環境のおいて再教育されて狂ってどうになでもなってしまうみたいな話は、ヒトの弱い部分、本質みたいなところを描いててかなり好きかも。

友達が歌会で発表した短歌に対して、「美しき仕事」を想起したという感想を受けたみたいで、それをきっかけに観た。